ミニッツ・リピーター(Minute Repeater)

ミニッツリピーターはパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨンと並機械式腕時計における最高峰の複雑機構でトゥールビヨンと同じく、 アブラアン・ルイ・ブレゲによって発明された。

ボタン操作やレバー操作を行うと現在時刻を音によって知らせてくれるアラーム機能のことである。クォーツ腕時計やデジタル時計においては当たり前に備わっている機能であるが、機械式腕時計においてこの機能を備えようと思うと、至難の業である。

一定時間の区切りにそれぞれ音色を振り分け、その音色の重

なりによって、現在時刻を音で知らせる機構で、ポケットの中にしまうことの多かった懐中時計では非常に重宝された技術であるが、現在のすぐに時間を確認できる腕時計ではさほど必要な機構であるとはいえず、工芸品のような位置に留まっている事は残念である。

ミニッツリピーターは機械式腕時計の中でも飛びぬけて複雑な構造となっているため、現在でもごく一部の時計職人の手によって限られたブランドでしか生産されていない。また、価格も非常に高価なものとなっている。

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